東北一周<4日目>TSUGARU

2017年10月13日金曜日

2014.07東北

t f B! P L
4日目。秋田の朝。
県内は雨の予報なので、もっと北上してしまおう。

午前6時、ホテルの前より。
ちょっとした曇天で、やはり天気に不安がある。
昨晩はもう遅かったので何も見えなかったが、秋田駅前。
バスターミナルの待合は木造で、素敵な感じである。
駅に向かう途中のローソンで朝食を調達。
壁の掲示を見ると、アルバイトを募集していた。時給は665円。秋田県の最低賃金ピッタリだ。
ってことは、レジにいた女の子は8時間働いても5320円なのか…
厳しい世界だ。
大館行きで青森方面へ向かう。
青森は見たいところがたくさんある。
車両内の路線図も、ここまで来ると首都圏のそれとは全く様変わりしている。
「日本海」っていうのが良いね。
この路線図の中央付近にある「東能代」で、右上の「五能線」に乗り換える。
途中の八郎潟駅から大量に学生が乗ってくる。
ただの干潟じゃなかったのか…
ドラえもん学習まんがの「地理がわかる」でしか聞いたこと無い名前だわ。
車窓には秋田的な風景が延々と写り続ける。
着いた。東能代駅。ここで乗り換える。
あのまま奥羽本線に乗って大館方面に行くと内陸を走ることになるが、この五能線は日本海沿いを走る。
風光明媚な車窓が期待できる。
車内は、さっきと打って変わって女子学生で溢れていた。
さすが秋田県。あきたこまちがいっぱいだ。半分は関取みたいな感じだったけど。
次の能代駅でほぼ全員降りたので、日本海側のボックス席をゲット。
能代高校の生徒だろうか。
少し走ると、田畑が開けていきなり日本海が視界に飛び込んできた。
うーん、もう少し晴れてほしい。
岩館駅は、五能線では秋田県最北の駅となる。
ここから白神山地に入っていく。
ちょ、近い。
相当な山間を切り開いたんだろうな…
乗車時間が少し長かったので、車内を探検。
乗客が全くいない。
連結部にある運転席。
こっそり座ってみたりして。
電車の運転手に憧れた子供の時の気分を思い出す。
さて目的の駅に着いた。艫作駅。
これは西日本編の特牛駅に並ぶほどの難読駅名だ…
そして隣の駅名が長すぎてはみ出とる…
「艫」は「ふねのへさき」を意味する。
駅舎も2010年の改装時にずいぶんと洒落た作りにしたらしい。
駅前の様子。
もちろん無人駅。
気持ちいいくらい何もないな…
艫作駅には、ちょうど保線工事の車が来たところだった。
自転車を組立てていると、おっちゃん達にすげえマジマジと見られていたので、話しかけてみる。
目的地への道を調べるのは面倒なので、人に聞くのが一番早くて楽だ。

「それにしても艫作駅で人が降りてるところ初めて見たよ」
「いや初めては流石に言いすぎでしょ」
「ほんとほんと、ここ担当して半年ぐらいだけどね…」
てな会話をね。
駅前すぐは住宅街になっている。
商店じゃなくて戸建が駅前にあるんだねえ…
保線のおっちゃんに言われたとおりに自転車を走らせていくと、海に当たった。
雲も晴れてきて、いい感じだ。
しかし日本海というやつは、鳥取砂丘の時もそうだったけど、なんで太平洋側よりも広々と感じるんだろうなあ。
実際には狭いはずなんだけど。
さて目的地の看板が見えてきた。
ガイドブックには「黄金崎温泉」と書いてあったけど、場所はここで合っているようだ。


「不老ふ死温泉」。なんと素晴らしいネーミングだろう。
ドラえもんの夢幻三剣士を連想しませんか。してください。観て下さい。
夢見る力がお前にある限り…

ここは日本海に面している露天風呂が売りである。
…ということを伝えたいがためにこの写真を撮ったんだけど。

実はこの写真中央、奥にあるのがその露天風呂なのである。
全然知らずに撮ってしまった。
外からこんなに丸見えでいいのか?
ここ駐車場だぜ?
混浴だぜ?
どうですこの開放感。

初めての混浴にドキドキしながら入浴。
内風呂にいたのは爺さん一人。

「露天風呂で有名なの?ここ。行ったことねえや」
「えぇーーーッッッ!!!」
「いつも内風呂だもん。地元だからさぁ」
「もったいねえなあ」
「だって行くまで面倒なんだよ」
「?????」

同じ風呂なのに行くのが面倒とは?

さっきの写真を拡大すると分かるんだけど、露天風呂、明らかに周りの景色から浮いている。
なんと、内風呂から1分くらい歩いて行く必要があるらしい。
しかも駐車場から丸見えだもんだから、一旦服を着なきゃいけない。
め、めんどくせー。
でも混浴いきてー。

行った。

日本海に面した露天風呂は、西日本編の皆生温泉でも行ったけど、あれとはレベルが違った。
面してるなんてもんじゃない。隣り合わせだ。
温泉に浸かって手を伸ばすだけで海に触れることが出来る。
こんな感覚初めてだ…

肝心の混浴については…
女どころか男もいなかった。

まぁ…貸し切ったということで。
満足したので駅に戻る。
黄金崎温泉は、艫作駅と、あのやたらと長い「ウェスパ椿山駅」の中間にある。
せっかくなので、ウェスパ椿山の方に行くことにしよう。

ちなみに温泉からシャトルバスも出ているのだが、タイミング悪く、この時間はなかった。
切り立った崖の上から青い海が見える。
天気もだいぶ良くなってきた。
見えた。ウェスパ椿山。…って何?
そういうリゾート施設だそうです。
しかし時間がない!温泉でゆっくりしすぎた。
せっかく汗を流したのに、思いの外アップダウンがあってもう汗だくだ。
駅舎などはなく、改札口もない。
駅前の広場とホームが直結している感じだ。

ここで大変なことに気付いた。

乗ろうとしていた列車は「リゾートしらかみ」という観光列車で、臨時快速だ。快速ということは、特急のように別料金を払う必要もなく、北海道東日本パスで乗れる。
乗れるのだが、時刻表を改めて読むと"全席指定席"と書いてあることに土壇場で気付いてしまった。
慌ててえきねっとで指定席券を予約するも、そもそもウェスパ椿山のようなド田舎には発券機がない。そもそも駅舎がないのである。
かと言って、7時間後に来る普通列車を待つために一本遅らせるという選択肢もなく、結局、指定席券は車内で発行してもらった。ネット決済した520円は無駄になったが、仕方ない。
観光列車というだけあって、半個室のテーブル付きシートも完備だ。
自分は一人なので関係なし。
これが自分の席。
鈍行旅をしていると、こういう席に座るのもなかなか新鮮だ。
途中、深浦駅で快速の待ち合わせがあった。
しばらく停車するそうなので、降りて探検してみよう。
深浦駅はこのへんでは珍しく大きな駅。
ホームは一面二線だが、待ち合わせ用の線路の分岐もある。
ちょうどリゾートしらかみの違う車両との行き違いのようであった。
「青池」と「橅」。
自分が乗ってきたのは右の「橅」です。

青森が近づいてくると、ゴツゴツした岩場が目立ってくる。
あの階段は一体…?
 ここらは「千畳敷」という、河岸段丘が発達している。千畳敷という名の駅もあるくらいだ。
千畳敷は日本各地に存在するが、ここのものも有名らしい。

それはそれとして、ウェスパ椿山駅でこんなものを買ってみた。
「アップルクーヘン」。
りんごをバームクーヘンでぐるーっと巻いてあるなんていう。
特筆すべきはその大きさ、重さである。
手のひらに収まりきらない。
りんごが丸ごと、その周りをバームクーヘンで包んであるのだから当然である。
ネットで調べたら、なんと600gもあるらしい。
大泉さんもびっくり。
しかしテレビで見るのとは迫力が段違いだ。
とりあえず齧ったけど…
またりんごまでたどり着かない。
どんだけバウム厚いんだよ…
アップルクーヘンに苦戦していると、先頭車両から音楽が聞こえてきた。
津軽三味線の生演奏をしているようだ。
見づらいが、弾き手が二人いる。
こういうイベントがあるとは知らなかった。観光列車ならではだ。
食べ終わらないまま終点の青森駅に到着。
お、なんか横浜ベイブリッジみたいなのがホームから見える。
後から調べたらやっぱり「青森ベイブリッジ」だった。
乗り換え口にはねぶたの写真。
青森に来た感じがするねえ。
この路線図は西を上、北を右にしている。
これから向かうのは右方向だが、時間があるので青森駅周辺を散策だ。

青森駅は青森港に面している。
とりあえず海の方に歩いてみよう。
右に見える赤い建物は青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」である。
まぁ、駅前だし、いつか行きそうな場所なので今回はスルー。
ああ、いい感じだ。
港に面したベンチがあるので、しばし海を眺める。
北海道が見えるかと思ったが、下北半島と津軽半島は予想以上に大きかった。
あ、そういえばコレ食い終わってなかった。
ぶっちゃけ飽きてきたんだよな。よくこんなもの早食いできるな。
少し手伝ってもらおう。
クルックー

とかやってたら、ものすんごい集まってきてしまった。
鳥使いか俺は。
と思ったら本物の鳥使いの兄ちゃんがいた。
す、すげぇ…
ここは水曜どうでしょう「対決列島」青森対決で使ったテーブルだ。
番組でもカンカンカンカンうるさかったが今もうるさい。
振り返って見ると、旗のワイヤーが強風で柱に打ち付けられていた。

さてちょっと海沿いに自転車を走らせてみる。

防波堤の方にいけそうな道があった。
広くて走りやすい。
気温は高いけど湿度は低く、心地よい風が吹いていて気持ちがいい。
広いなぁ。
ここでラジコンレースとかやったら楽しそう。
小さい頃は父親とよくレース場に行ったっけか
ここは「青森港北防波堤西灯台」というらしい。
残念ながら釣りは禁止。
google mapや方位磁石と照らし合わせてみても、やっぱりここから北海道は見えないみたいだ。
もっと半島の先の方に行かないと。

というわけで、津軽線に乗り込んだ。
青森港が気持ちよすぎて、ゆっくりしすぎたせいで汽車に乗り遅れかけ、青森駅のホームでダッシュしながら「六番線待ってくれー!!!!!」って絶叫したら待ってくれた。
あと列車内でおばあちゃんに話しかけられたんだけど、案の定というか、恐らく津軽弁なので本当に何言ってるかわからなかった。
多分汽車の事について尋ねられてる気がしたので、「いやちょっと東京の方から来たので分かりませんね…」って言ったら標準語に直してくれた。バイリンガルだ…
蟹田駅をスルー。
これは津軽二股駅から見た奥津軽いまべつ駅。
北海道新幹線の駅だ。この時はまだ出来てないので工事中。
誰がこんなところで降りるの?っておばあちゃんが言ってた。
着きました。
終点の三厩駅です。
それがどこにあるのかっつうと
ここ。まぁまぁ先っぽである。
三厩は津軽線の終点であると同時に、新海誠監督作品の『雲のむこう、約束の場所』の聖地でもある。

新海誠といえば『君の名は』で有名になったけど、僕は『ほしのこえ』から観てたし、僕に言わせれば『君の名は』だって…(おたくの悪い癖)
それはともかく、僕が新海作品で一番好きなのは『雲の向こう』であり(ストーリーは意味不明だけど)、思い入れも強いので、本当に三厩は一度来てみたかったのだ(ストーリーは意味不明だけど)
聖地巡礼については、あとで降りる蟹田駅も含まれているので、とりあえず先に周囲を散策する。
そういえば竜飛崎もここから近いんだ。
※東京の感覚で近いという言葉を解釈してはいけない

竜飛海底駅も、この一年前までは行けたんだなぁと思うと、アンテナを張るのが遅かったというか…
北海道でも感じたけど、もう行けない場所、まだ行ける場所、しっかりこの目で見てから死にたいなあ…
バス。
思ったより来る。ていうかめっちゃ来る。
駅舎においてあったチラシ。
「駐在所速報 タケノコ採りにはご用心! 遭難が多発しています…タケノコに気を取られ、道に迷う…」
ま、まじで?そんなことあるか?
駅舎内はポスターや写真が多く、観光地としての意識が高いことが窺える。
こういうのを見ると、土地が生きていることを実感して嬉しくなる。
まあでも駅前はこんなもんである。
誰も住んでいなさそうな民家と、小さな会社…
一応、人の気配は感じる。
まぁ正直、歩いてもパッとしなかったので引き返そう。
聖地の写真を撮ってない。
これは三厩駅の車庫だが、『雲の向こう』で言えば、ヴェラシーラが格納されていた倉庫…だという説がある。


 

これだと思うんだよなあ。
ちょっと小高い丘の上にあるのが現実と噛み合わないけど…
 さて、三厩から蟹田に引き返す。
 そういえばこの車両も『雲の向こう』で見ている。
白のボディに赤いラインのキハ40系。
津軽線はバッチリ単線の非電化区間なのでド田舎を満喫できるぞ。
青森と三厩の中間地点、蟹田に戻ってきた。
ここは特急が停まる。
そういえば、青森といえば太宰治だった。
斜陽館とかもこのへんだった気がする。
いやこれはちょっと無理矢理すぎるなあ…
鬼畜米英などに寄りかからず自立していける強い蟹田を作り上げろ(?)
やっぱり特急が停まるとなると駅舎も立派なものである。
待合室。
東京か!?(錯乱)
駅前では仏像が夕暮れに染まる蟹田を見守っていた。
蟹田駅も海に近いね。
聖地巡礼しているせいもあって、海に来ると鳥の詩を聴きたくなるオタクが発生するらしいです。
紀伊半島で流すべき。
蟹田は電車の本数も少ない、海沿いの静かな町。
夏の夕方、散歩するには格別のシチュエーション。

そういえば蟹田駅というのも聖地らしいんですよ。


 
 
まぁ、そもそもこのへんで跨線橋のある立派な駅なんて蟹田ぐらいしか無いんだけど…
あ、スーパー白鳥来た。
乗るぞ
鈍行の旅で特急に乗るなんて贅沢だなあ…
あ、今日は午前に臨時快速乗ってるか
ふっふっふ、いいだろこれ
わくわくするよなぁ
はるばる来たぜ函館。
青函トンネル、予想以上に長くて少し退屈してしまった。
本当は来る予定なかったんだけど、三厩は行きたかったし、函館思ったより近かったし…
ってノリで来ちゃった。
だいたい札幌からも遠いんだよな、函館。普通に青森から行ったほうが楽かもしれん。
お、これは予想以上にでかい駅だ。

さて、函館に来たからには有名な夜景を見なきゃいかん。
市電待ってらんないし、チャリで来た。
とは言ったものの、函館山までは結構な距離がある。
大人しく市電に乗るが吉だった。
来るまで知らなかったんだけど、函館のあの有名な夜景は函館山ロープウェイってやつで山に登らないと見れなくて、営業時間に限りがあるってことだ(冷静に考えれば当たり前のことである)
もう売店も閉まってる。
22時終了で現在時刻21時30分。
せっかく函館まで来たのに夜景を逃してなるものか
い、急げー
間に合った。(そして夜の北海道の山は寒い)
マァ綺麗…
急いだ甲斐があったというものだ。
ギリギリに来た分、ゆっくりと夜景を眺める。
ゆっくりと眺めていたところ、異変に気付いた。
自分以外の客がいない。
まぁでもロープウェイの終電まではあと4分あるし…4分!?
流石にもう行かなきゃだな。

と乗り場に向かう。
ロープウェイ乗り場は函館山展望台の建物内にあり、そこの屋上が展望台ということになっているのだが…
なんと屋上から建物内に入る扉が施錠されているではないか!

え、なんで?ロープウェイ、まだ出発前だろ?あと3分あるんだろ?なんで乗り場までの道を閉ざしちゃってんの?
ていうかこういうのって普通、確認してから施錠しない?俺が悪いの?どうやって帰るの?寒いぞ?

自問自答を繰り返すが扉は開かない。
他の入り口を探し当てるが、そこも施錠されている。
「おーい、開けてくれぇー!」
なりふり構わず叫ぶが、返事はない。

どうすりゃいいんだ?
そうか、電話だ。函館山ロープウェイの事務所に電話をすれば…

「本日の営業は終了しました」
「つっっっかえねえなァー!!!!!」

などとやっていると、施錠された自動ドアの向こう側に人影が。
もうこれを逃すと機はない!
ロープウェイの出発まであと1分!

ドンドンドン「開けてくれー!!!」
警備員「!!!???」

事情を話すと、警備員は鍵を取りに行ってドアを開けてくれた。
開けてくれたが、もうロープウェイ行っちゃってるよな…?

「最後に、従業員用の便が出ますので、それで…」
えっ、気まずっ。

なんか館長みたいな人「この度はたいへんご迷惑を…」
気まずいぼく「…………」

逃げるようにロープウェイを降りた。
帰りの坂で猫に愚痴った。
なぁ聞いてくれよ、4分だぜ、俺が悪いのかなあ…俺が悪い気もしてきたなあ…
テンションがクソ低い状態でメシを探す。
もうこの時間になるとどこも空いてない。
大門横丁という飲み屋街にあるラーメン屋が美味いそうだ。

「ラーメンたつみ」塩ラーメン一筋40年だそうだ。
なんと連続無休7000日の記録を更新中という…
すごいけど、それでいいのか…?
味はと言うと、こ、これは美味いと納得の一品だった。
シンプルで透き通るようなスープ、体の温まる正統派塩ラーメン、また来ること間違いなしだ。

地元の番組も来ている。
ジャンボとり定食も気になるな…


大門横丁は函館駅近く。
20店舗ほどの屋台が軒を連ねている。
地方はとにかく店じまいが早いので、夜に困ったらこういうところもいいかもしれない。
いや、今日は長かった…
不老ふ死温泉に行ったのも今日のことだったのか。
秋田から大移動したもんなあ…
記事もものすごく長くなってしまった。
まぁ、書くことが何もなかった北陸編とかに比べたらいいことなのかな…
この日は五稜郭までチャリ漕いで、「ホテル テトラ」で一泊。
つ、疲れた…


秋田621-718東能代737-916艫作
ウェスパ椿山1039-1332青森
青森1524-1709三厩1747-1828蟹田1929-2056函館

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