青ヶ島への道 1日目 八丈島探検

2019年8月2日金曜日

2019.08青ヶ島

t f B! P L
(サムネ用・底土港の近くの民家で発見)


船内放送で目が覚める。時計を見るとまだ5時だ。どうやら途中で寄港する三宅島に到着したらしい。
うるさいなと思ったが、ここで降りる客にとっては寝過ごすと一大事だ。こればかりは仕方がない。せっかくなので島の姿だけでも拝みに行こうかとも思ったが、眠くて体が起き上がらない。というかそもそも、ここで体を起こしてしまうと完全に目が覚めてしまうし、そうすると寝不足のまま八丈島に降り立つことになる。ここは二度寝が正解だ。
すると今度は6時に御蔵島で起こされる。うーむ・・・

その後もウトウトを繰り返し、07:30ごろ完全に目が覚めた。
甲板に出るとすでに八丈島が見えた。よく晴れている。しかも隣には八丈小島まで見える。あまり知られていないが数十年前まで人が住んでいた無人島だ。『秘島図鑑』で読んだ印象よりだいぶ大きく見える。

八丈島で朝食にありつける自信がなかったので食堂でパンケーキを頼む。
朝マックよりしょぼい物体がでてきた。まずい。

予定より10分早い8:40ごろに八丈島の底土港に入港。
良く晴れている。
 やはりキャンパーや釣り客が多い。
このときはちょうど「愛らんどリーグ」という離島の少年サッカー大会が開催されていたらしく、ユニフォーム姿の子供たちも多かった。
あおがしま丸もすぐ近くにいる。
今日は凪いでいるし問題なく出そうね。

とりあえず近くの船待合所へ。だいたいこういうところは観光案内所も兼ねている。
パンフレットや島内地図を眺めて身の振り方を考えるが、本当に何も決めていなかったせいでかなり目移りする。
青ヶ島がメインだからといって八丈島のことを何も考えなさ過ぎた。

とりあえず宿に電話して荷物だけ置かせてもらえないか交渉、これを快諾される
ここまででなんと30分を浪費。ちゃんとしろ。


泊ったのは底土港から徒歩3分の「シーダイブ」というドミトリータイプのゲストハウス。
名前の通り、宿は完全にダイビングの店といったところ。
なんと庭にハンモックがある。

一般的なゲストハウスって感じ。
部屋から海が見えるのが良い。



とりあえず荷物も置けたので出かけよう。
ここで八丈島の地理をチェックだ。

八丈島はひょうたん型の島で、でかい山がふたつある。
それを取り囲むように8の字に「八丈島一周道路」がある。
山と山の間にある平野部に大都会がある。あとはなんもない。

底土港は地図右上の平野部なので真ん中に向かって歩き出す。



が、10分程でギブアップ。汗が止まらん。頭が痛い。
徒歩とバスでなんとかしようと思ったけどこれはあかんわ。
ていうかバスなんて全然走ってねえわ。
波照間のときも同じ甘い考えで熱中症になったような…

日陰で座り込んで近くの自動車修理工場に電話をする。
ここはレンタルバイクもやっているのである。
だいたいこういう離島はレンタカーが大人気なのだが、案の定バイクは当日でも借りられた。
歩けば15分くらいで着きますというと「いい、いい!迎えに行くから」とおばちゃんの声。
このままだと脱水症状をおこしてしまうので素直に甘えることにした。

車で迎えに来てもらって工場で申込をする。
社員らしきおじさんがチラシの裏に俺の名前と電話番号を書いて、免許証をコピーしてお金を払ったらそれで手続きは終わりになった。
 ヘルメットも「そこらへんにあるやつ持ってって」と言われ倉庫に立ち入る。
こういうノリが島は良いよな。
波照間のときと似たようなスクーターを借りる。
みんなはこれがいいんだろうけど、ホンダのスーパーカブに慣れてしまうとギアがないのは違和感がある。

さて、このあとの流れをカッコよく理路整然と描きたいところなのだが、本当にノープランだったので行ったり来たりを繰り返しており、正直どこをどう行ったのかよく分からない。
写真を見返しても本当に効率と頭の悪いルート取りをしていると思う。

ただ救いなのはこの島が二つの山で構成されていることだった。
北に八丈富士、南に三原山がある。八丈富士はその名の通りきれいなお椀型をしている。

三原山はなんだかデコボコしていてちょっと低い。なので山さえ見ていれば自分がどちらを向いているのか一目瞭然なのである。

まず注意したいのは島を東西に貫くメインストリートについてだが、手前から道なりに走っていると通常の脳を持っていれば左に行くところを、この黄色い柱を目印に右折しないと市街地にはたどり着かない。
という現地に行かないと全然面白くないメモ。

と、いうわけでとりあえず、八丈島一周道路を走ってみる。
まずは北側の八丈富士を時計回りに。
空は気持ちよく晴れて、隣の八丈小島がよくみえた。


北側はほとんど何もない。バーベキュー場とか公園があるだけで商店とかも何もない。ただ走るだけ。風光明媚ではある。



宇喜多秀家とその妻の像なんかがあった。
流罪やなあ。

朝飯があんなだったのもあり、11時半ごろとにかく空腹が限界を迎えたのでガイドブックに載っていた寿司屋の銀八に電話する。
ガイドブックには予約必須とあり、現地に行って食えませんじゃ残念だからな。

電話してみると案の定、「スゲー混んでるから今来てもダメよ、30分後くらいにしなさい」というような内容のことを言われ、電話口で注文を聞かれた。
なるほど、今のうちに注文を受けておき、それが出来上がる頃に店に行けばお互いラクって寸法だ。
ネットの情報によると主人は銀座で修行をしてたということなので、島寿司と江戸前寿司のミックスを頼んだ。

それを待つ間、暇つぶしに役場に行くことにした。
ここは歴史資料館も兼ねている。
詳細は後述。

30分待って銀八に到着。
 役場からバイクで3分。メインの通りから少し入った所にある。
ちょっとした駐車場もある。
 いざ着いてみれば客は俺しかいなかった。
激混みとはなんだったのか…
 奥が八丈島名物の島寿司。
一番右奥が岩海苔の寿司で、島寿司は右から、おなが、めだい、青だい、おごだい(と言っていた気がする)
ネタを醤油漬けにしてあり、なんとわさびの代わりにからしが入っている。味が濃いので何もつけずにそのままいただく。
これが実にうまい、確かに江戸前寿司とは全然ちがう。

というか江戸前寿司もかなりうまい、大トロとかあるし、いいのか、俺このまま死ぬのか?
さらにあら汁もついてきた。これで2700円はかなりアド。

最初は閑古鳥が鳴いてるのが気になったが、あとから次々とお客が来る。
それも半数は島民らしく、地元でも人気の様子だ。

さて役場に戻る。


「八丈島歴史民俗資料館」という立派な名前がついているが、博物館のようなものを期待してはいけない。
全景でこれくらいの広さである。
だが内容はそれなりにまとまっていて、実に興味深い。

 だいたい離島の歴史と言うのはたいして研究もされていないし資料も残っていないから、中世以降の本土との関係でしかせいぜい語られることはない。
  となるとやはり現代の島の姿を詳細にかつ魅力的に映し出すことが重要なのかなと思う。
ちなみに今皆さんが見ているのは歴史資料ではなく企画展示のほうです。
歴史資料はあの狭い中で50分くらい楽しんだけどまぁネットで見るのと大差ないかな。
黄八丈、流罪、宇喜多秀家、源義朝がキーワードでした。
 今回一番笑ったのがこれ。青ヶ島の護岸工事のミニチュア。
やたらと詳細で手が込んでいてマニアック。
の、近くにあったパネル。
総ルビで小学生や外国人にも優しい展示かと思いきや、使っている語句は大人でもちょっと難解なものが多くて、そのアンバランスさが滑稽で本当に面白かった。


次に植物公園に立ち寄る。

 あんまり植物とかには興味がないのだけれども、島の名所らしいのでとりあえず寄っておく。そういうところから発展する恋もあるのだ。知らんけど。
手前の岩場はたぶん八丈島を模していると考えられる。
確かに植生が本土と違う感じがする。
南国感つよめ

光るキノコが名物らしい。
夜にまた来る時間あるかな…
温室でいろいろな植物を見たが温室のほうが涼しかったという記憶しかない。
とにかく暑かった。
園内は広い。いろいろと自由に歩き回ることができる。
虫は多いがたかってきたり刺してくるような類のものはいない。
暑いし植物のこと全然わからんのでビジターセンターへ。
本日の見どころにあたる植物はあまり見つけられなかった。
何度も繰り返すが暑くて暑くてあまりじっくり見て回る元気がなかった。
冷房の効いた部屋と布団があったら即死するレベルで暑さにやられていた。
中はけっこう立派だった。
夏休みの自由研究をしにきている子どもがたくさんいた。
動植物についての情報がズラリ。
キョンとかいう偶蹄目が有名らしい。
でもまぁただのシカでした。(そして暑い)

いろいろ周ったのだがクソ暑くて本当につらいというのと、やはり自分は人文科学が好きなのであって自然科学はあんまり食指が動かないということがよくわかった。
動物園とか植物園のたぐいは、まぁ平均の人よりは楽しめるとは思うが、のめりこめるほどではなかった。
これも向き不向きなのかねえ。美術館とかもあんまりだし(行けばそこそこ楽しいんだけど。)

暑い思いをしたあとにアイスクリームを食べたかったのでジャージーカフェへ。
ここは八丈島で(おそらく)一番大きい商店であるスーパーマーケット浅沼に併設されている。



  ソフトクリーム、う、うまいです、ありがとう植物園

ミルクの風味がめちゃ濃い、畜産もここは盛んらしい。
そういえば八丈富士登山道の中腹に牧場あるらしいな、まあ今回は行かんけど。

というわけで八丈一周道路の、北半分はもういったので南の方へと移る、こちらも時計回り
地図だとかなり山道でジグザグなのでどうかなと思ったが、まぁ確かにヘアピンは多いが勾配はそこまででもないし舗装もちゃんとされてるし二車線あるのでなんともなかった。
なんならそこそこカーブのある道のほうが変化があって楽しいし、バイクを傾けるのってなんだか楽しい。
水曜どうでしょう的には汚れた英雄がかかるポイント。

途中の登龍園地から島の全景を見ることができた。
こどもが飛行機の3便を待っていた、毎日夕方ごろ羽田から来るが今日は遅れているらしい。

峠を越えると少しずつ下りに入っていく。
登龍道路の名の通り、龍の壁画?が目に入る。
しばらく行くと、「見晴らしの湯」の看板を発見。

これよこれ、これを探していたのである
安い。

見晴らしの湯はまあ普通の温泉
しかし露天風呂が海に面していて青ヶ島が見えるというのが素晴らしい
よく見えて嬉しかったのだが島の親子が「青ヶ島が見えるということは明日は雨だね」と言っていたので一転してすごく不安になる
あとで調べると八丈島にはそういう伝承があるらしくしかも科学的裏付けもあるっぽくてより不安になった
ズームで島影が見える。
風呂は気持ちよかった


休憩室でいびきをかいて10分ほど寝てしまった、最高の休日だ

起きて残りの一周道路をゆく
大阪トンネルを抜けたところに展望台があり、これが有名な夕日スポットらしい

 駐車場もちゃんとある。


場所としてはたけえ橋の上です。



 確かに八丈小島に沈む夕日がよく見える
明日もこれくらい美しい景色が見られると良いのだが

日没するとさすがに少し寒くなってくる
宿に戻り、晩飯を考える
寒いから遠出したくないので近場で考える
宿においてある近隣地図によると「通(みち)」という居酒屋がよさそうである

通への道はちょっと分かりづらい、太い通りから脇道に入るが看板とかもないので頑張るしかない


店の入り口には不良がたむろしていた。
怖いので一気に駆け抜ける。

 い~い感じの居酒屋じゃねえか、オイッ
麦茶と書いてあるがちょっとぬるい水が入ってた。
そういうところもスキ。

カウンターにどう見ても現地民っぽい飲んだくれたおっさんがいたので隣に座る。
ものの三分でうちとけた、最近そういうやつを見極める目ができてきた。
おっさんにオススメのメニューを聞いてみたが、来てもタバコ吸いながら焼酎飲んでるだけだからわかんねえと言われたので、使えねえなと思った。

メニューがよくわかんなかったので「ポキ丼」とかいうやつ頼んだ。なんかハワイ料理だったらしいが使ってるのは島で取れた魚のヅケだ。
うめえ、昼とかぶってしまったが。
おっさん(尾崎とか言ってた気がする)によると八丈島の星空もなかなかのもので、ホタル水路というところは街灯が何もなくめちゃよく見えるらしい。
ただそこにこどもの石像だか銅像だかが立っていて、夜中に見るとちょっとびっくりするらしい。俺は怖いの苦手なんだよっつったら、いや別に普通の像なんだよ、ただ何故か分かんねえけど手首がねえの、とか言うもんだからヤメローッと俺が叫んで二人でゲラゲラ笑っていた。楽しかった。
ただおっさんが帰ったあと店の奥さんが言うには、あそこは本当に街灯もないしガードレールとかもなくて、しかも下が土手だったりするから本当に危ないよというので、ハイワカリマシタと返事をしてまっすぐ帰宅しました。だって青ヶ島行く前日に危険を冒しちゃだめでしょ。


店を出ると満天の星空が。なんだここも明かりが少ないから見えるじゃん。おっさんがやたらと星座に詳しかったので勉強不足はつらいなぁと思いながら天の川をただ見つめていた。21時ごろ宿に帰って歯を磨いてベッドイン。

明日は早めに起きてバイク返して09:20空港発のヘリコプターに乗ります。
ちゃんと起きられるかしらね

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