青ヶ島への道 2日目 青ヶ島上陸(下書き)

2019年8月4日日曜日

2019.08青ヶ島

t f B! P L
(サムネ用・青ヶ島ヘリポートより)


午前2時。眠れん。
なぜこの部屋は煌々と明かりが点きっぱなしなのだ…

足元にカーテンはある。しかし、自分が寝ているのは二段ベッドの上段なので、天井から明かりが漏れてくる。意味ないじゃん。
しかもエアコンが近くてちょっと寒い。

目をつぶって必死に眠ろうとするが、階下からの物音が止まらない。
そういえば富良野かどこかに行ったとき、同室のバカが深夜に荷物をガサゴソしていて喧嘩になったなあ…などとぼんやり考えていたが、八丈島のバカは寝相が悪いだけだった。
余計しまつが悪い。
やり場のない怒りを抱えながらも夜は更けていく。







5時、6時と不規則に目を覚まし、7時半に仕方なく起床した。
絶対に寝過ごしてはならない、乗り遅れてはならないというプレッシャーもあったのだろうか。安心して寝入ることは出来なかった。

ロビーに出るとテーブル代わりの卓球台の上に朝食のメニューが置いてあった。
えっ、朝食無いって聞いてたけど食えるの?と思って尋ねてみると、前日までに予約していれば、ということらしい。
恐らく、ダイビングセットプランのおこぼれがもらえなくもないよ、という制度なのだろう。たぶん。
ちゃんと起きられたので、宿と港の間を軽く散歩する。
レンタルバイクを返さねばならないのだが、まだ営業時間ではないのだ。
いま思えば、そんなに必死になって八丈島を回らなくても、このへんでもう少しのんびりしても良かったかもしれない。
ゆっくりと荷造りをして、いよいよバイクにまたがる。
レンタカー同様もちろん満タン返しだ。すぐ近くの護神交差点に出光があり、それが最寄りのガソリンスタンドになる。
営業時間は8時半からだったが、10分前に到着。
急かしてしまっただろうかと不安になったが、おっちゃんが愛想よく対応してくれた。

もちろんガソリンスタンドのレシートを握りしめて行ったのだが、「満タンだよね?」「うっす」のやりとりで全てが終わった。島・・・

バイクをレンタルすると空港までの送迎が無料サービスで付いてくる。
「青ヶ島?よくヘリコプター取れたねえ」「三泊!?レンタカー借りてんなら一泊もありゃ十分だよ、なんもねえし」と笑いながらおっちゃんは言う。
ここでざっと雨が降り少し不安になるが、天候の不安定な八丈島ではよくあることらしい。
八丈島空港に着いた。狭い。
ヘリ、正式名称「東京愛らんどシャトル」の手続きはロビー右端でこじんまりと行われている。
手続きは出発の30分前までと厳しく決められている。絶対に遅れてはならない。ウンコもあとだ。受付を先にしろ。絶対にだぞ
予約番号などを控えていったが、青ヶ島行きの〇〇ですが、と氏名を言うだけで済んだ。人生そんなものである。
切符を受け取る。
仕方のないことだが、荷物が5kgを超えると超過料金を取られる。
ちなみにあとで気が付いたのだが、受付のオネーチャンが引き算を間違えて数百円多く取られてた。まぁいいけど。
少し時間があったので、空港内のレストランで朝食をとることにする。
本当はロビーで待っていなければならないので、何分くらいなら席を外してもいいかを、あの引き算が苦手なねーちゃんに聞いておかないといけない。
実にシンプルな洋風の朝食。
だが、島にいるとこういう食事が恋しくなってくるものだ。
今のうちにしっかり味わっておく。美味い。700円。

ロビーに戻った9:10頃、そろそろ搭乗口に、と促されるが、ここで腹痛。
しかしもうここまで来れば多少は待ってくれる。
旅の極意、日常生活では便意は最優先事項だが、臨機応変に考えるべし。
徒歩でヘリコプターへ向かう。慣れない光景に少し興奮してきた。
搭乗客は8人で、結局1枠余っている様子。
当日や直前のキャンセル待ちでも通りやすい、というのはどうも本当らしい。
席は早いもの勝ちの自由席。もちろんパイロットの真後ろの席を陣取る。というかなぜ空いている。
間もなくプロペラが回転し始め、待ちに待った瞬間に心が躍る。
スマホのムービーはもう録画を始めているが、5分経っても飛び立ちやしない。
やきもきしていると、機体チェックを終えた助手席のパイロットが乗り込んできた。そりゃまだ飛ばないわけだわな。

そのうち飛行機のように滑走路を走り始めたので、なるほどヘリコプターも助走をつけて離陸するものなのかと思いきや、全然加速する前にふわりと真上に浮いた。
まぁヘリコプターなんだからそりゃそうか。
いざ飛び立てば360度が大海原の大パノラマ。
なるほど飛行機と違って客席も狭いので、すべての窓から外が見渡せるわけだ。
授業中のいたずらっ子のように、落ち着きなく前後左右をキョロキョロする。
心配していた変な揺れもなく全然飽きない。
 20分ほど飛行していると島影が見えた。
ついに青ヶ島に来たのだ!
 どんどん島が近づいてくる。
写真で見た通り、ものすごい急峻である。
こんな島では海水浴などもってのほかだということが良くわかる。
ヘリポート上空。
駐在さんや係員も含めて、ざっと30人くらいが出迎えているのが分かった。多くねえ?
別に自分のために来てくれているわけだはないと分かってはいるけど、嬉しくなる。
着陸するや否や、とっととヘリポートから出ていくように促される。
すると、すぐに青ヶ島からの乗客が入れ替わるように乗り込んでいく。
ヘリは、プロペラを止めないまま、ものの5分で飛んで行ってしまった。
まるで快速列車通過待ちの電車みたいなものだ。
飛んでいくヘリにみんなが手を振る。
なんて素敵な光景なのだろう。
既にこの青ヶ島での素晴らしい出会いが約束されているかのようだった。
ここで青ヶ島レンタカーのおばちゃんとお目見え。
今から一緒に店に行って、そこで手続きするから、その車に乗ってついてこいと言われる。
あの車は多分、さっき帰った客がヘリポートに乗り捨てたやつなのだろう。
ものすごい勾配の坂を登り降りすること2分、まずガソリンスタンドに到着した。
おばちゃんはレンタカー屋とガソリンスタンドと、その向かいに建つ島唯一の商店を全てやっているようである。豪商か?
窓を閉め、エンジンを切り、キーを抜き、という体に染みついた当然の流れをやっていると、そんなのいいから!とおばちゃんに急かされる。
噂には聞いていたが、車のキーは常に挿しっぱなしにしておく、というのが島マナーのようだ。
確かに誰も盗みなどしないし、島内は道が狭いから、邪魔なときは誰でもどかせるようにということなのだろう。
実に島っぽくていいじゃないか。
商店の「十一屋酒店」でいろいろと説明を受けるが、やはり運転に慣れていないと大変なようだ。
自分が運転経験の多い社会人だとわかると少し安堵した様子である。
だいたい事故を起こしたり側溝にハマるのは学生さんたちだと言う。
 そのまま宿の「あおがしま屋」へ向かう。
大きな看板などもなく少しわかりにくい。レンタカー屋でもらった地図を頼りに、なんとなく車を停めてみたら、たまたま合ってた。
宿に入ると、電話で何度も話したおばちゃんの声がする。
そしてここでも何泊かを間違えられる。おいおい大丈夫かよ・・・。
このあと分かったのだが、自分と同じ苗字の人が入れ違いでいたらしい。それで混乱したのだろう。そういうことにしておこうよ。なっ。
 宿はコーヒー飲み放題。
勝手に淹れて勝手に飲んでいいそうだ。

冷蔵庫の飲み物はお金を置いて各自で持っていくシステム。
コーラやアクエリアスなどのジュース類が充実していた。
お酒があったかどうかは覚えていない。飲めないから興味ないし…

ここにお金を置いていくのか。
車のカギの件もそうだけど、もうほんとに、こういう島っぽさ、すげえ好きだな。
 廊下の本棚にはマンガがぎっしり。
宿においてある漫画と言うとだいたいコンビニ漫画とかちょっと昭和な感じの作品が多いものだが、イマドキのジャンプ作品とか、20~30代が楽しめそうなものがほとんどだった。

更にはDVDもかなり充実している。
いやいや青ヶ島まで来てこんなもん見るなよ、とも思ったが、青ヶ島は護岸工事などのため工事関係者が数多く来る島。もともと長期滞在が基本なうえ、雨や台風で停滞ということになれば、なるほどこういうグッズも必要になるということなのだろう。
 部屋。キレイすぎる。最近増築した棟だという。
もうちょっとこう、畳で、ちょっと虫が出て、網戸が破れてて・・・みたいなものを想像していたので、拍子抜けだった。
 エアコンに大型の液晶テレビまであるじゃないか。都会のちょっとした格安ビジネスホテルの様相を呈している。一番当たりの宿をひいたんじゃないか?
 テレビの最後のほうのチャンネルでは、港のライブカメラが見れる。
物資のほとんどすべてを船に頼っているこの島では、風速や気圧などの情報も重要なのである。素人が見ても全然わからんけど。
ちょっとチャンネルを変えると求人情報とか島内のイベント、役所からのお知らせがテロップで流れる。
ちょっと面白くてちょっと便利。

さて、お昼ごはんまで少し時間があるので、近場を探検する。
といっても青ヶ島はきつい坂が多く、スポットが点在している。
徒歩で散策するのは賢明ではない。
 青ヶ島小中学校。児童・生徒数は合わせて10人。
島の人口170人に比べるとまあまあいるほうだと思う。
(それにひきかえ焼尻島は・・・)
 後者の渡り廊下。
個人的に青ヶ島ベストショット。
 学校のプール。
島は断崖絶壁に囲まれているため、みんなの想像するような島らしい海遊びは出来ない。
 島唯一の信号。
教育用として学校の前にポツンとある。ずっと青信号。
このアングルいいね。
 その信号を渡って階段を降りると、体育館がある。
 ステージでは島のイベントもときどき開催される。
篠原ともえのおばあちゃんが青ヶ島にいるらしく、いつぞやに行われたライブのチラシを宿で見かけた。

佐々木次郎太夫の像。

ところでWikipedia文学ってご存知ですか。もはや文学作品であると言わしめるほどの内容と読みごたえがあるページがそう呼ばれている。
日本三大Wikipedia文学は「三毛別羆事件」「八甲田山雪中行軍遭難事件」「地方病」と言われているが、だいたいその次点くらいにノミネートされるのが「還住」だ。
そこには、青ヶ島のすべてが書いてある。
旅をするとき、素敵な写真を撮って、うまいものを食って、まぁもちろんそれもいいのだが、その土地について思いを馳せるのもいいものだ。
そこに住み、日々を暮らす人たちの背景に何があるのが、何があったのか、それをよく知ることで旅は深みを増すと思っている。
だからわざわざ旅先で歴史博物館に行く。すると、今まで見えなかったものが急に見えてくる。感覚が鋭敏になる。
青ヶ島はその最たる例だ。もしも青ヶ島に行くことが決まったら、ぜひとも還住について読んでみてほしい。
青ヶ島、ヘリで行くんだー。おもしろーい。だけじゃ面白くねえのよ。その背景にあるものを是非垣間見てほしい。



さて・・・



 駐在所を超えたところに大里神社なるものがあります。
道端にひっそりとたたずむ看板。
先に言っておきますが行かないほうがいいです。
 絶対に冥界に続いてる。
 少し歩くとすぐ鳥居。
なんだ、もう終わりか、と気を抜いた途端に
 とんでもない急斜面が待ち受ける。 
 しかも足元は玉石でできた階段。
これ行きはいいけど帰りがかなり危ないんじゃないか?
 第二の鳥居。
10分ほど登ったが、かなりしんどい。汗が止まらない。
 しかもまだ先がある。
誰が来るんだこんなトコ。
 おそらくここが頂上。
すっかり寂れていて何もない。
きれいに玉石が積まれている様子が見えるが・・・
 一番奥まで行くと、あの有名な景色が・・・!
しかしこれは不安定に積まれた石の上で背伸びをして撮ったもの。
やはり展望台に行かねば。
いちおう、苦労して登ってきたご褒美なのかな。でもおっかないので来ないほうがいい。
帰りに20分かかるので。



 神子の浦展望台。
とレンタカー。車は品川ナンバー。イケてる東京ナンバー。
これは島が見えるやつじゃなくて海が見えるほう。
 うーん、絶壁w!
 ベンチがちょっとオシャレ。
天気も良く、風も心地よいので、ちょっとゴロゴロしてから宿に戻る。
そろそろお昼ご飯の時間だ。

■ここまで清書09/10■




ここで一人旅の男性ふたりと少し会話を交わす、午後から一緒にどこかに行くというので便乗させてもらうことに
ふたりは昼の弁当を外で食べるというので、そのあと合流ということにした
お昼ごはんまでの間は個人行動

とりあえず地理が全然分からん、狭い島とはいえアップダウンの激しさや道の狭さのせいで方向感覚も混乱するし道に迷うのが怖い、これは焼尻島や波照間島より全然厳しかった
とりあえず小中学校へ、かなりきれいな校舎と校庭で、全校生徒も13人とそれなりにいるようだ
小さな離島あるあるの「小中学校前にある島唯一の信号機」も見ることができた

そのあとなんとなく道端で見つけた「大里神社」へ
とにかく狭い獣道を登っていく
途中から玉石でできた急な階段になる
この感じは愛媛県の佐柳島で行った神社と全く同じ感じがした
誰も行かないような神社、中腹にある休憩地点、そこから厳しさを増す階段
そして頂上についてもあまり大したことのない鳥居があるのみ
そのあまりの階段の長さ、険しさ、そして暑さで熱中症になるかと思った
ただそこから見る眺めは絶景だった
とりあえず鳥居にご挨拶をしてその場を去る
が、そこは急な玉石の階段、帰りのほうが数倍大変なのであった

村役場や図書館に寄る
土曜日なので特に何もなし
それから神の子展望台にも寄る
ここもまぁ普通

商店に寄る
お土産用の青酎などを購入
店番のお姉ちゃんからいろいろと島の歴史について教えてもらうなどする

宿に戻りお昼ごはん
今日は味噌ラーメンと巨大おにぎり
ラーメンに目玉焼きが浮かんでいたり、おにぎり全体にゴマがまぶしてあるのが印象的だった

そのあと例の二人と合流
二人は昨日すでに来ているのでなんとなく島の地理はわかっている様子
今日はうまいこと回るルートを思い付いたのでそれで展望台へ行きたいとのこと、ついていく

まず展望台Aの近くに車を置き、別の車で大凸部展望台登山道入口へと向かう
大凸部からAへ尾根伝いに行き、Aの車で戻ってくるという、複数人いないと取れない戦法である
これは結果的にすごく良かったので次来るときはこの作戦で行きたい

大凸部へは鳥居の右から行く
割と普通のハイキングコースといった感じ
ものの10分で到着
ネットでよくみるあの景色を見ることができて感動である
先客が一人おりこれが行きのヘリで一緒だったおじさんだった
結局みんなこういうところに来るだけあって同類だよなという話で盛り上がった
みんな一人旅で、友達とか誘ったけどこんなところに来ねえよなという話と
本当にここからの眺めは飽きなくてみんな40分くらいいたけど、本当に一般人を連れてきたら40分も持たないなという話
新婚旅行で青ヶ島に来たがるような嫁と結婚しろという話



元きた道を戻る
今度は鳥居の方から
こちらの道がヤバく手を使わないと登れないと聞いたが本当にそうだった
玉石の階段が途中から壁のようにそそり立っているのだ
途中後続がカメラレンズカバーを落としたが数段下がるだけでもヒヤヒヤものである
登り切るまでは5分程度だがおそろしく疲れたし怖かった

こちらから展望台Bへ
ネットでよくみるアングルはこちらのほうかもしれない
しばし談笑
旅が自由すぎて誰もついてこない話
カナブンが人懐っこすぎる話

ここで最初に停めておいた車に分乗し、商店へ
とにかく暑くてアイスが食べたかった
店内のテーブルでだらだらアイス食べながら店のおばちゃんと雑談
ここでも島の歴史に触れる、ここでの話はかなり楽しかった
とりあえずここのおばちゃんを怒らせてはいけないという結論に至った

休憩したので三宝港へ
トンネルを抜けていきなり海が広がる光景は逗子から鎌倉に抜けたときとそっくりのアングル
ただしもちろんこちらのほうがスケールがでかい
噂のクレーンで釣り上げられた漁船も見れた
あの土砂崩れの保護みたいなやつはどうやってるんだろう
風が気持ちいいので暑かったが30分くらいいた
無骨な要塞のような港がいたく気に入った

宿に戻る
朝も夜も7時過ぎにご飯に呼ばれるので部屋でのんびり待つ
夕食、噂には聞いていたがものすごい量だ
アシタバ、たしかに苦いが美味しい、あまり内地では見れないらしい
今夜の晩御飯は8人、今日一緒に行動した3人、利島で教員をやっている2人、工事で来た3人、島グループはやはり島の話題で盛り上がり、工事関係者はとりあえず最年少のシゲルが歌手だとか少食だとか寝坊グセがあるだとかいうことをひたすらイジってゲラゲラ笑った、俺も煽った

ものすごい量を食べたのでほぼ限界、2130まで部屋で休んで星空を見に行くことに
目指すは港、展望台もいいがすげー歩かなきゃいけないのと、カナブンがやばいらしい
結論から言うと港は大当たり
6畳のシートを広げて男三人寝そべる
昼間熱せられたアスファルトのじんわりした温かみと、生ぬるい空気と、涼やかな海風がちょうどよく、このまま一晩寝れそうなほどだ

星空は波照間で見たそれに引けを取らないほど満天だった
多すぎて星座とか全く分からないほど
天の川もくっきりと見えたし流れ星も20個は見た
いろんな離島の星空を見る人のブログがあるらしく、それによると青ヶ島がダントツらしい
冬に来たら澄んだ空気のもともっとすごいのが見れるかな
持ってきたコンデジよりなんとスマホのほうがよく星空を撮れた、もうこのコンデジはなんのためにいるんだ
ISO1600,シャッター8s,EV+4.0,WB曇でかなりよく撮れる
コンデジはISO1600でシャッター1sというポンコツっぷり
もちろん一等星くらいしか撮れない
ちゃんちゃん

全く飽きずに日付が変わるまで星を眺め続けた

キリ番ゲッター

ブログ内検索

QooQ